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タスク管理ツールを使う時に考えること

タスク管理ツールを使う時に考えること

2020.09.25

チームでプロジェクトを進めている場合、恐らくなにかしらのタスク管理ツールを使っているのではないでしょうか?

タスク管理の方法はTrelloClickUpのようなWebサービスを使うことかもしれませんし、付箋を壁に貼っていくことかもしれません。

ただタスク管理のツールが何であれ、プロジェクトの対象や開発手法が何であれ、個々のタスクの持つべき基本的な情報は共通するものがあると思います。 それらの情報を如何に上手く管理するか、というのはツールの使い方のノウハウになるのでここではあまり深くは触れません。


なぜタスク管理を行うのか

タスク管理を行うからにはそれによるメリットがあるはずです、ただツールを使う時間だけが余計にかかってメリットがないならそもそも使う必要はありません。

タスク管理については例えば以下のようなメリットが考えられます。

  • タスクの分担を明確にする
  • タスクに基づいた計画を立てる
  • タスクの進捗を可視化する
  • 将来的に対応すべきタスクを管理する

個々のメリットを書き出してみても正直わかりにくいのですが、包括的に言えばタスクに関する情報を管理することでプロジェクトやチーム内で「現状の把握」、「過去の振り返り」、「将来的な計画」をしやすくなることと言えるかと思います。

1. 現状の把握

タスク管理をすることで今現在誰が何をしているか/してないのか、何が終わっているのか/終わっていないのかを可視化することができます。

タスクに優先度や見積あるいは締切などの情報があれば、現状が想定通りに進んでいるのか遅れ気味なのかを判断することもできます。

2. 過去の振り返り

タスク管理をすることでタスクがうまく処理されたかどうか、過去の振り返りをしやすくなります。

計画通りにタスクがさばけたのであれば、見積もりやタスクの分担が適切だったと考えることもできるかもしれません。 一方で計画通りに進まなかった場合は、なぜうまくいかなかったのかを検討し反省点をフィードバックすればより計画を精緻にすることもできるでしょう。

3. 将来的な計画

タスク管理をすることで次に何をすべきか、将来的な計画を立てやすくなります。

タスクに優先度や見積もりがあれば次にどのタスクを処理すべきでどうリソースをアサインするかという計画を立てることができます。

期間は長短あれどまずタスクをもとに計画を立てる、進行中は適宜現状の把握、終わったら振り返るという流れは大体どんなプロジェクトでも行われているのではないでしょうか。


タスクの持つべき情報

タスク管理の担う役割が見えてきたところで、それを補うために個々のタスクはどんな情報を持つべきか考えてみました。 特定のプロジェクト管理の手法に向けたものではなく、汎用的な考え方としてまとめています。

1. 目的・背景

「〇〇をする」のようなタスクを作るとき、可能な範囲でなぜそれをやるのかという背景も情報としてもたせるべきだと考えています。

タスクが増えてくると「これは何のためにやるんだっけ?」というケースも出てきます、「すべきこと」だけを記述すると重要な背景を見落としてしまうかもしれません。

凝った文章を書く必要はなく、チャットのログでも関連する資料のリンクでもなんでもいいと思います。

2. 完了の定義

「完了」とはなにか、例えば「〇〇を終わらせる」や「〇〇を満たす状態にする」という客観的に評価可能な項目のリストのようなものです。

「〇〇をする」というタスクはそれ自身で完了の定義が明確なものもあれば、そうではないものもあります。 ツールであればタスクの配下にサブタスクやToDoリストなどで管理することで、このタスクを完了にするためには何をすればいいのかが明確にすることができます。

3. 担当者・レビュワー

誰がまたはどのチームがタスクを担当するかはまず決まっているものと考えて良いでしょうか。 一人かもしれないし複数人かもしれませんが、誰もアサインされていないタスクは他の情報がいくら具体的でも進行しているとは考えにくいです。

また、2の完了の定義にも関連しますがタスクのレビュワーが設定できる場合はしておくと良いと思います。

4. 優先度

タスクには最優先のもの、または今すぐは対応しなくて良いものなど色々な優先度があると思います。 基本的には優先度の高いものを順番に棚卸ししつつ計画を立てることになるでしょうか。

ただ優先度は状況によっても変化しますし、優先度の高いタスクが計画の途中で差し込まれるかもしれません。 いずれにしても優先度が整理されていることで、次に何をすればいいか何故今そのタスクを進めているかなどの判断がチームとして納得感を持ちやすくなると思います。

5. 見積・締切

タスクを進めると決めた時点である程度締切は決まってくるものかと思います、プロジェクト進め方によっては締切以外の見積であることもあるかもしれません。 また、サブタスクに細分化した時はその中で詳細な締切を設けることもできるでしょう。

いずれにしてもやると決めたからには無限に時間をかけていい状況は無いはずです。 締切またはその他の見積もり情報があれば振り返りの時に一つの指標にもなると思います。

6. 依存関係

タスクによっては別のタスクが終わらないと開始できない、など他のタスクの状態と何かしらの依存関係をもつ場合があります。

同じような優先度のタスクがある場合に、このタスクを終わらせないと他のタスクをブロックしてしまうようであればそちらを優先して対応するという判断もしやすくなります。

依存関係についても自明な場合も多いですが、ClickUpではTask Dependenciesを使ってできるだけ設定するようにしています。


情報を管理する責任の所在や情報を更新するタイミングはプロジェクト次第かと思いますが、おおよそどんな場合にも共通するであろう項目をまとめてみました。

当然チームの規模や関係性によってなにを重視すべきかは違ってくると思うので、自分が関わるプロジェクトには何が必要かを考えながらタスク管理ツールを利用していく心構えが重要だと思いました。

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