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経営層・リーダーのための生成AI活用 〜自走型DXのためのアプローチ〜

経営層・リーダーのための生成AI活用 〜自走型DXのためのアプローチ〜

2025.05.06

1. なぜ経営層に生成AIが必要なのか?

企業のDXや業務改革が進まない理由の一つは、「経営層やリーダー自身が具体的な課題や打ち手を言語化できないこと」にあります。
その壁を越える鍵となるのが、生成AIを“思考の補助ツール”として活用することです。

弊社ではCTO伴走ラボという形で、多くの企業の経営者やDXチームに伴走しています。
その中で見えてきたのが、生成AIを活用して経営層自らが自走的に考え、意思決定を加速させる方法です。

 

※ 余談ですがGoogle AI Studioで作成したCEOがLLMと対話する動画です。将来ほとんどの人がLLMと対話して意思決定のサポートに利用する日が来るのだと思います。

2. DXがうまくいかない理由とは?

多くの現場で、DXは以下のような問題を抱えています。

  • ❌ 目的が曖昧なままスタートする
  • ❌ 技術導入が目的化している
  • ❌ 外部パートナーに依存し、検討が進まない

トランスフォーメーション=何をどう変えるのか? が定まらないまま動くと、成果は出にくくなります。

3. 生成AIで“考える経営”を実現する

3-1. 生成AIは壁打ち相手

ChatGPTやClaudeのような生成AIを「壁打ちの相手」として使うことで、
経営層自身が考えながら課題を整理し、仮説を立てることが可能になります。

3-2. 活用例:プロンプトから課題抽出へ

以下は、実際の業務をもとに生成AIに問いかける例です。

弊社では企業のデータ入力業務を受託しています。
従業員を増やさずに効率化したいです。
考えられる打ち手を5つ挙げてください。

これに対してAIは、RPA、マクロ、自動収集ツールなど複数の方向性を提示してくれます。 そこに**「Googleスプレッドシートで作業する必要がある」**などの条件を加えると、さらに自社向けにカスタマイズされた提案が返ってきます。

4. Before / After:AI活用でどう変わるか

従来(Before) 生成AI活用後(After)
漠然とした課題感 明確な論点と仮説が整理される
外部パートナー頼み 自社で選択肢を事前に準備できる
相談に時間がかかる 対話の質が高く、進行が速い

5. 課題整理のプロンプト例と出力例

🎯 プロンプト

あなたは経営者です。
以下の業務をデジタル化・改善したいと考えています。
課題と、それに対する一般的な打ち手を5つずつ挙げてください。

【業務概要】
・見積〜受注〜請求に関する社内オペレーション
・担当者ごとにフォーマットが異なり、属人化している

💡 出力例(ChatGPT/Claude)

課題候補:

  • 工数が担当者依存になっている
  • 情報が分散していて共有が困難
  • 業務手順が属人的でミスが起きやすい

打ち手候補:

  • 見積フォーマットの統一
  • 承認ワークフローの自動化
  • スプレッドシートの一元管理

6. 弊社の“生成AI × 伴走支援”のアプローチ

生成AIを活用して事前に思考整理をしていただいた上で、私たちは次のような伴走支援を行います。

🧭 STEP 1:課題の再構成と優先順位付け

  • 経営視点と現場視点のギャップを整理
  • 実行可能性と効果を踏まえて方向性を決定

🛠 STEP 2:設計と実行支援

  • PoC設計、ツール選定、ワークフロー整備
  • 社内展開を見据えたドキュメント化と教育支援

🔁 STEP 3:改善サイクルの構築

  • 月次レビューとチューニング
  • 社内での生成AI活用体制づくり(テンプレート、研修など)

7. この取り組みがもたらす3つの成果

✅ 経営判断の速度が上がる AIを活用して仮説を高速生成 → 議論の起点が明確に

✅ 支援の質が上がる 論点が明確になり、すぐに本質的な支援が可能

✅ クライアントの自走力が育つ 外部に頼らず、社内で意思決定・推進できる体制が整う

まとめ:生成AIは“考える経営者”の武器になる

生成AIは、単なる情報検索や文章生成のツールではありません。
思考を構造化し、課題を具体化する“思考の補助装置” として、経営層こそが活用すべきものです。

私たちは生成AIを活用した自走型のアプローチと、プロフェッショナルな伴走支援を組み合わせ、
“共に考え、共に進む”DXの実現 を支援しています。

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